猫の病気
猫の病気で困っている方やこれから病気を予防していく愛猫家様のために。
最近は飼い猫の寿命も延びて、20年以上生きる猫も出てきました。愛猫の様子がいつもと違っていたり1匹ぽつんと暗いところで寝ていたりしたら体調不良を疑ってください。それだけ猫は我慢強いので、症状が出てからでは、病気が進行している場合がとても多いのです。
猫の予防接種
- 猫ウイルス性鼻気管炎…ヘルペスウイルスによる感染症で、ひどいクシャミ、セキ、鼻炎などの呼吸器症状のほか、結膜炎を引き起こします。高熱で食欲はなくなり、鼻水と涙で顔中クシャクシャ、典型的なカゼの症状がみられます。
- 猫カリシウイルス感染症…かかりはじめはクシャミ、鼻水、発熱など、猫ウイルス性鼻気管炎に大変よく似ています。症状が進むと舌や口の周辺に潰傷が出来る事もあり、また、時には急性の肺炎を起こして死亡することもあります。
- 猫汎白血球減少症…白血球が極端に少なくなる病気で、パルボウイルスが病原体。高熱、嘔吐、食欲がなくなり、下痢がはじまると脱水症状となります。体力のない子猫などは、たった1日で死ぬ事もある怖い病気です。
- 猫クラミジア病…クラミドフィラ・フェリスによる感染症。菌は眼や鼻から侵入するため、結膜炎、鼻水、クシャミ、セキがみられます。肺炎を起こすこともあります。人に感染して結膜炎が起きた例も報告されています。
- 猫白血病ウイルス感染症…持続感染すると80%が3年以内に死亡します。白血病やリンパ腫などの血液のガン、貧血流産などを起こします。病気に対する抵抗力(免疫)が弱まるため、 色々な病気も併発しやすくなります。感染してから発病までの期間がたいへん長く、その間は見かけ上、健康に見えますが、ウイルスを排泄し、他の猫へうつし ます。
- 「猫ウイルス性鼻気管炎」 「猫カリシウイルス感染症」 「猫のクラミジア病」…この3つの病気は猫のカゼの代表です。ワクチンを接種していれば、たとえ感染しても非常に軽い症状ですみます。
感染してしまったら命に関わるだけでなく、あなたの猫が他の猫への感染源となってしまいます。
猫たちのためにも、しっかり予防しましょう。
猫の皮膚の病気…ノミアレルギー性皮膚炎
- 猫のアレルギー性皮膚炎の原因やメカニズムについては、犬や人間とあまり変わりません。猫の体質的な問題もあります。またわずかなノミに血を吸われただけ でもノミアレルギー性皮膚炎になることも珍しくありません。激しい痒みを伴い、皮膚に栗粒状のブツブツの湿疹ができたり、脱毛したりします。一度ノミアレ ルギーになるとわずか一匹のノミに吸血されただけでも、皮膚炎に悩まされることになります。常に、畳やカーペットなどは丁寧に掃除機をかけ、ふとんや毛 布、マットなどは天日干しして掃除機をかけるなど室内環境を清潔にしておきましょう。また飼い主が愛猫と一緒に遊ぶ時間を増やして、患部に集中しがちな猫 の気分をほぐしてあげるのもいいでしょう。
感染症…猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症とはいわゆる猫エイズキャリアです。
猫エイズはヒトウイルスとは異なり人間に感染することはありません。しかし、人間のエイズと同様、免疫力を落としてしまう不治の病気なのです。症状とし て、ウィルス感染1ヶ月後くらいに一時的な発熱、リンパ節の腫れが見られます。それ以外は症状らしい症状がありません。多くの場合の発症原因が過剰医療へ のアレルギーによるものですが、この病気も避妊手術を受けることによって防ぐ事ができます。
キャリアー(無症状)期を過ぎるといわゆる猫エイズを発症しますが、発症してしまうと免疫力が下がるため、口内炎が出来たり慢性の下痢になったりして次第 に痩せ細って死に至ります。感染してから発症するまで、一番短い子では5年くらいで発症してしまう子もいればキャリアー期が長くて老衰するまで発症しない 子もいます。
必ずしもキャリアー期をすぎ発病するとは限りません。 ウィルス感染が確認されても根本的な治療は難しく、その時点でのネコの症状を和らげる対処療法がおもな治療になります。
泌尿器の病気…膀胱炎・尿路感染症
- 猫の膀胱炎は犬に比べて非常に少ないです。ネコのオシッコは濃くて酸性なので細菌が繁殖しづらいことなどが理由と考えられています。
しかしウイルスに感染し、膀胱炎になってしまった猫は尿道が詰まり尿が腎臓に逆流すれば、腎臓が汚染されて血液を浄化する腎機能が働かなくなり、体中に尿毒がまわって命をなくすことになりかねません。
主な治療は抗生物質と消炎剤の投与になります。原因によっては療法食を与えていただく場合もあります。またストレスによって発病する場合もありますので、日頃から愛猫の排尿の確認、尿の色調の確認などを心掛けてください。
消化器の病気…膀胱炎・尿路感染症
- 口内炎の代表的な症状は、よだれで口のまわりが汚れてきた。口臭がひどい。ごはんを食べようとすると、痛がる。頬を触ると猛烈に嫌がる。食欲がない。あまり水も飲まない。口の中が真っ赤にただれている。
食べることができず、水や唾液も飲み込めず、息をすることさえ困難になる場合もあり、放置すれば、衰弱、脱水症状、低酸素症、腎不全や肝不全などで死にいたる場合もあるので要注意です。 歯肉口内炎にできるだけならないようにするには、歯周病予防と同じく、歯垢、歯石が歯に付着しないようにすること。また子猫のときから、歯の手入れの習慣を身につけることです。
循環器の病気…心筋症・血栓塞栓症
- 猫の心筋症には、心臓の筋肉(心筋)がどんどん厚くなる「肥大型心筋症」、逆にどんどん薄くなって心臓が大きくなってしまう「拡張型心筋症」、心臓がうまく広がる事ができずに働きが低下する「拘束型心筋症」の3つがあります。
いつもと比べて元気が無くなったり、空咳をすることがあったり、進行が進むと運動をしたがらなくなり、動こうとしなくなります。主な原因としては遺伝的な 要素が考えられています。症状が進むにつれ、動悸や息切れを起こしやすくなり、咳がでることもあるようですが、猫の場合、調子が悪いとじっとしていること が多いため、ほとんど症状がわからず、わかったときには手遅れになることが多いようです。猫もとても苦しむので、場合によっては安楽死をすすめられること もあるようです。
現在のところ有効な根治療法は無いが、血管拡張薬による二次的な心臓の負荷軽減療法や、 β遮断薬による心臓そのものの休息療法によりかなりの延命が可能です。そのためには早期発見、早期治療が不可欠となります。